【経営者インタビュー②】プロレスリングWAVE 二上（GAMI）社長・桜花由美専務が語る！GAMI社長の野望、レスラーに求めるもの、小鉄イズムの後継者として
＜小鉄イズムの後継者としての、二上美紀子社長＞
山口：尊敬するプロレスラーはどなたですか？
桜花：今だったら、尾崎（魔弓）さん。社長をやりながらプロレスをやっているので。尊敬するところは人柄です。最高にいい。ヒールらしからぬ人で、優しいというより、男気がある人です。
山口：すごく気さくで、ざっくばらんに話をされる方ですね。
桜花：尾崎さんは前に出るタイプではないので、OZアカデミーは尾崎さんが社長で、みんなが自由にやってます。適当に泳がせている、そういうところがすごいです。
山口：GAMIさんは？
GAMI：誰やろ？ 山本小鉄さん。（ジャパン女子時代の）師匠が小鉄さんだから。
山口：「小鉄イズム」を学びましたか？ 練習が厳しいとは聞きますが。
GAMI：厳しいですね。厳しいんですけど、あの人のすごいところは、新人でお金がなくて、八王子からマイクロバスで通っていた頃、誰かがちょっとでも怪我すると「もうやめよう」って練習やめるんです。「アイスクリーム買ってこい」って言われて、買ってきたら、「おもしろい話をしろ」って、無茶ぶりしてくるんです。
山口：初期の鬼軍曹のイメージとは違いますね。
GAMI：鬼軍曹は鬼軍曹だけど、初期の鬼軍曹とは違う。こっちも一応女の子なんで。厳しいは厳しいけど、すごく優しい人でした。根幹が優しいんだろうなあと思います。
山口：小鉄イズムから学んだ一番大きいものは何ですか？
GAMI：「プロレスは思いやりです」。プロレスは相手ありきなので、殺し合いじゃない。「キングオブスポーツ」って書いてるじゃないですか。あれって小鉄さんの考えた言葉ですけど、キングオブスポーツというからには、殺し合いではなく、プロとして、スポーツを見せないといけない。そのためにはベースを作らなければいけない。だから練習しろ、とにかく練習しろと。
山口：意外な小鉄さん像が出ましたね。
GAMI：小鉄さんは練習場にキャデラックで来るんです。その音がしたら「うわ、来た！」って、背筋がピンとなって。だけど、教わったことといったらボディスラムくらいです。うちらの世代はあまり手取り足取り習わなかったので、直接教わったのは首投げとボディスラム、関節の極め方とポジションの取り方くらいです。あとは基礎体力と、見て学べ、って。お前らセコンドで特等席なんだから見て学べ、って言われてました。
それと、ゴングと週プロを見て、新聞を切り抜いて貼って、どういう形なんだろう、どこが極まってるんだろう、どうやって入るのか、と研究する。昔は映像なんてなかったじゃないですか。写真は完成形しかないから、その状態にどうやって入るのかをずっと考えてるんです。ずーっとずーっと考えて、変な技もどんどんできるようになりました。プロレスラーはなんでも自分で考えないといけないから、凄く難しい職業だと思いますよ。
山口：表現も含め、クリエイティビティというか、発想力が必要ですね。
GAMI：当時はYouTubeもなかったし！ 今の子だったら「こんな技をやりたいんですけど」ってYouTubeの動画を見せて言うけど、載ってるやん！ 見てやればいいやん！
桜花：恵まれてますよ。
山口：調べれば出る時代ですからね。
GAMI：私の頃なんて、VHSじゃなくてベータの時代ですよ（笑）
