【新日本】<大張社長インタビュー②>新たな挑戦“女子王座新設”、武藤敬司引退大会、A猪木さん「お別れの会」を振り返る


③2.21武藤敬司引退大会について

--そして、2月には武藤敬司選手の引退興行がありました。こちらは他団体の大会ではありましたが、新日本からもたくさんの選手が参戦されました。こちらは大張社長の目にはどのように映りましたか?

まず武藤選手ですが、武藤選手がいなかったら今の私はいないですね。というくらいの方なんですよね。

--ものすごい思い入れがあるのですね。

そうですね、本人にもお伝えしたことあるんですけど。「またまたうまいこと言って!」って言われちゃいましたね。だから半分は純粋にファンとして、武藤さんの最後の試合を見てたところはあります。それは置いておいて、残り半分ですよね。新日本プロレスの社長として見ていた部分で言うと、まずメインの武藤選手と内藤選手。内藤選手も生粋の武藤ファンじゃないですか、初めて見に行った大会のメインが武藤選手ですよね。

最初の頃、ファンの中では内藤選手が武藤選手の真似をしているという話もあったくらいじゃないですか。憧れから武藤選手に似た部分があったのかもしれないけど、そこから独自色を打ち出していって、内藤哲也という唯一無二のスタイルが出来上がりましたよね。そして最終的に武藤敬司の最後の試合で対峙するというね。今までのストーリーが…、武藤選手側というより内藤選手側からしたストーリーが完結するという見方をしていましたね。

--本人も昔の内藤少年に言ってあげたいとコメントしていました。

あれはね、本人しか分からない感覚があったと思いますよね。夢と現実、今と昔、そういうものを超えてきて、目の前で、自分の手で3カウントを取って終わって。まあその後に蝶野さんとの試合がありましたけど。そのストーリーの完結を世の中の人達に見せてくれましたよね。反対側からの目線は置いておきますけど、新日本側から見ると、内藤選手のストーリーとしてすごく心揺さぶられましたね。ただの闘いじゃないですよね、いろんな意味があって。

--オカダ選手 対 清宮選手、ヒロム選手 対 AMAKUSA選手はいかがでしたか?

今まで清宮選手とオカダ選手はいろいろあったじゃないですか。これも完結したように…見えて、年齢や今後のキャリアを踏まえるとまた線になって繋がっていくんじゃないのかなと思えましたよね。また、ヒロム選手とAMAKUSA選手はメキシコ時代に繋がりがあったわけですよね。そこの点から今回の点で線になって。そしてこの時の試合は両試合ともチャンピオン同士でしたよね。そして、それぞれお互い知らない同士じゃなく、遺恨もあるというストーリーがあった中での超ビッグマッチでのチャンピオン同士の闘いでした。

--ふたを開けると2戦とも新日本の勝利でした。

まあ、プロの世界ですから、これは結果は結果と思うしかないんでしょうね。少なくともオカダ選手、ヒロム選手は、世界のトップクラスの選手になっているわけなので、結果から言うと力の差があったということになるんだと思います。ただ、それぞれのプロレスキャリアはここで終わるわけじゃないので、いつかどこかでというのがありえるかもしれないし。

年齢からいうと、オカダ選手と清宮選手って10歳くらい違うんですよね。オカダ選手も若い頃は、先輩レスラーにズタボロにされたこともありましたよね。でも今や、とてつもないレベルの選手になっているわけなので、それを考えるとまた未来に繋がるんじゃないかなと思いましたね。

--とても感慨深いですね。武藤選手の引退興行に華を添えたということもそうですが、むかしの大張少年に伝えたいですね。

どうしてもファン目線が…、スイッチ切り替えないといけないんですけどね(笑)。偉大なレスラーの引退興行に選手をたくさん派遣したというところではね、おこがましいですけど。大張少年に言っても信じてはくれないと思いますけど(笑)。でも事実として武藤さんには、武藤さんがいたからこういう道に進めましたというお礼だけは伝えました。


④3.7両国での「アントニオ猪木氏 お別れの会」を振り返って


©新日本プロレス

--その後、猪木さんのお別れ会がありました。

場所は両国、猪木さんが数々の伝説を残した場所でしたね。レスラーとしてみなさんが憧れて慕っていた猪木さん、あとは新日本プロレス50周年の創業者であり、初代社長である猪木さん。私は数えて10代目になりますが、稀代のレジェンドレスラーとしてみんなで送り出そうという面と、新日本プロレス創業者・初代社長として送り出そうという両面がありました。なので、わたしも発起人として手を挙げさせていただいて、両国で盛大に送り出そうと企画しました。

でも結局、発起人自ら、一番心を揺さぶられていたかもしれないですね。演出でスポットライトがリングに向かっていきましたけど、みんな猪木さんが見えたと思うんですよ。もともとアントニオ猪木をご存じの方で、会場で生で見た人って少ないんじゃないですかね。そういう意味では、存在しているかの確証もないというか、そもそも神がかった人でしたから。


©新日本プロレス

--そうですね。

だからみんな、あそこにいるって思えた。ただ心残りとしては、イギリスから帰ったあと猪木さんと直接会う予定だったんですよね。終身名誉会長就任のお礼とご挨拶で。それが叶わなかったのが…。でも最後、葬儀の時も行きましたけど、たくさんのファンの方にお別れの会という形でお越しいただけたのは…よかったのかな。


©新日本プロレス

--ファンの方も少し間をおいての献花式だったので、気持ちの整理もしつつ、ちゃんとお別れが出来たのではないかなと思いました。

プロレスのリングでね、1.4追悼大会をまずやって。そして両国で献花式をやるという、オープンな形で献花に訪れていただいて、本当に元から神のような存在ですよね。

インタビュアー:山口義徳(プロレスTODAY総監督)

▼関連インタビュー:第1弾と第3弾はこちら

【新日本】<大張社長インタビュー①>逆境の中での成長と変革:新日本プロレスの3年間
https://proresu-today.com/archives/218499/

【新日本】<大張社長インタビュー③>コロナ禍での挑戦と復活、「ALL TOGETHER AGAIN」、下半期の戦略を語る
https://proresu-today.com/archives/219101/

 
『BEST OF THE SUPER Jr.30』
⚫︎5月26日(金)
東京・国立代々木競技場第二体育館にて準決勝
⚫︎5月28日(日)
東京・大田区総合体育館にて優勝決定戦

▼大会詳細は公式サイトにて
https://www.njpw.co.jp/schedule

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