TAKAみちのくが『JTO旗揚げ4周年』で目指す「所属20数名がプロレスだけで食える会社作り」への覚悟

②『JTO旗揚げ4周年記念大会』後楽園大会の見所

――まず、大会の見どころをお願いします。

見どころだらけというか、おかげさまで選手も20数名になりました。

――増えましたね。

最近の後楽園のような東京の大きい大会は少なくとも8試合くらいあったんです。もうみんなを出したりあるいはみんながやりたいことをやっていたらそうなっていました。今回も10試合です。

――まさかの10試合。

 はい。だけど、ここ最近ずっと後楽園とかは10試合だったんです。それで、どうしようかと思いました。普通に考えたら大体多くても7、8試合で、5、6試合にまとめる団体もありますよね。でもそれはやり方次第では何とかなるのではないかということで、全部収めるために一旦その後楽園とかの試合の前半戦は10分1本勝負にしてみたんです。

下手したら10分1本勝負にしたら時間切れになってしまうかもしれないと思ったんですけれども、ちゃんとその10分の中でギュッと濃い試合をするようになってきたんです。

――レベルが上がってるんですね。

もちろん時間切れもあったんですけれども。結局、15分や20分、あるいは30分1本勝負を与えると無駄にダラダラやってしまう部分もあるかもしれないと思いました。その無駄な攻防や余計なパフォーマンスを排除すれば10分でもしっかりと濃い試合ができるので試合数は10あってもいいと思い、10分1本勝負にして濃い試合をさせています。ただ10試合は多いですよね。

――後楽園で10試合というのはなかなかすごいと思います。

最近、毎回10試合なんです。今回12ぐらいになりそうになって、「さすがに多いな」と思ってあれこれ考えてギュッとしたんですけれども。

――でも、シングルマッチが本当に多い大会になっているので、そういった意味では非常に見応えがあるのではないかと思います。

はい。

――では、1試合ずつ見所紹介をお願いします。

まずはこの男子6人タッグマッチですが、ハッキリ言うとそれぞれのテーマややりたいことから残念ながらあぶれてしまった6人で、悪く言えば残りものなんです。ただ、この中にいるKEITAはアラフォーにして6月にデビューしたばかりの新人なんです。

――すごい。

うちは年齢問わず、やる気があるなら来いという姿勢でやっていて、KEITAと出会ったのは去年の暮れぐらいです。

――そうなんですか。

ただ、見た目が厳つくて、タトゥーが入ってて身体もデカイですし。

――しかもデビュー戦でフォール勝ちしてませんでしたか。

勝ちました。「何だこいつは?」と思いました。「昔からプロレスラーになりたかったけれども、いろいろ事業とかをしていてできなかったのでなれるならやりたい」ということで飛び込んできて、ちょっと練習を見たら動きも良かったんです。

長い間いろいろな武道、武術をやっていたそうで、そっちの強さもすごく持っていました。あっという間に基本も覚えてすぐに数ヶ月でデビューになりました。ただ、松江、山陰地方で事業をやっていて、いろいろなことがあってそれを全て捨てるような形で飛び出してきて、人生賭けてプロレスラーになったんです。

――すごい。

ですから多分、他の若い奴らとは覚悟が違うんだと思います。

――そこまでのバックボーンの持ち主というのは知りませんでした。

ですから新人であれど新人とは思えない驚異の人間です。

――プロレスラーになりたいと思っている方がそういう努力を諦めずにきたからこそなれたということですよね。

はい。そういうことです。うちは年齢問わず、やる気さえあれば誰でも来い、ですので。KEITAが20代の若者の中に入って、どこまで何を残せるのか。ただ残ってしまった人間とは言いますけれども、ファイヤーにしても一颯にしても、十文字はインディージュニアタイトルマッチだったんですけれども、椎葉おうじ選手が欠場で流れてここに入ってしまったわけですけれども。

本当に有望な選手が揃っているので、ここから飛び抜けてほしい、誰が飛び抜けるかなという思いがあります。

――確かにこの6人というのは本当にランキングマッチで戦ってきている選手なので、そういった部分では。

そうですね。あとはみんな20代前半、中盤の人間で若さがありますので。

――これからの戦いに要注目ですね。

そうですね。

――そして次は。

女子のタッグマッチです。これも言ってみれば残った女子なんです。うちの所属が今7人いますけれども、それぞれやりたいことをやって、残ったのがrhythm、稲葉、HisokAになってしまって、1人足りない。そこにこの緑野アミサ。元々彼女もJTOなんです。ブルドーザー亜未沙という名前でやっていて、辞めて出ていったんですけれども。

――そこからもう1度、今回は出てもらうんですね。

まさかの里帰りです。

――今回は名前は?

緑野アミサです。一度辞めた人間がまたこうやって戻ってきて、対戦するのはJTOガールズが誇る10代の2人です。これは本当に未来しかない2人ですので。稲葉あずさと現役JKのHisokAのフレッシュすぎるコンビです。

――この稲葉姉妹の妹さんは本当に負けん気が強いですよね。

そうですね。やっぱりそこはお姉ちゃんに似ていますね。まだ15歳で未来しかないです。rhythmはともかと同期で旗揚げメンバーなのにここに埋もれていいのかというのがあります。前半戦に組まれるでしょうけれども、前半戦で賑やかな試合をしてこの10代2人が大暴れしてくれたら面白いなという感じです。

――では次をお願いいたします。

プロミネンスですね。これは神姫楽ミサが望んだチームと相手なんです。神姫楽ミサが元々アイスリボン参戦時に結成したKISSmeT PRINCESSというユニットがあって、それは解散してしまったんです。キスプリというアイドルユニットだったんです。3人でいろいろライブとかもやっていたんです。

ただ、今年の頭ぐらいに解散してしまって、でもミサの中で「いつかまたこの3人で集いたい」というので、「代表、組ませてください!」と言われて、「じゃあ誰とやりたいの?」と聞いたら「プロミネンスとやりたいです」と。「いや、プロミネンスとやったらボコボコにされるよ」と言ったんですけれども、「いや、いいんです。私達はやられてもやられても這い上がるんで」と言うので。

――気持ちはいいですね。

自分としては「もっと弱い人とやって派手に勝った方がいいんじゃないの?」と言ったんですけれども。「いや、プロミネンスにも勝ちます。もう我々はボコボコになってもどんどん這い上がるから、プロミネンスとやらせてください」というので、そこまで言うならということで組みました。ですからこれはもう完全に神姫楽ミサの強い要望で組まれたカードです。

――プロミネンスは結成してから各所で話題を振りまくユニットなので面白くなりそうですね。

そうですね。

続いて、これは柳川澄樺が望んだカードで、柳川澄樺が去年ぐらいからアイスリボンに参戦するようになって、他団体にも何度か出るようになった中でこのサクライさんと出会って、組んだり戦ったりすることが増えて気が合ってようで、戦って良し組んで良しということで。

ただJTOでは絡んだことはないんです。この1週間前に横浜大会があるので、そこではタッグを組むんですけれども。4周年大会ではシングルをやりたいということで、今のところシングルでは1勝1敗らしいんです。

――お互いが甲乙つけがたい実力ということですね。

はい。良い関係なので、ここでまたシングルをきっちりとホームリングでやらせてみようかなというところです。

――楽しみです。

そして山縣vsAoiですかね。

――これはAoi選手の実力査定マッチみたいな形になりますね。

完全にそうですね。Aoiはずっと稲葉ともかを追い求めて何度も挑んで1回も勝っていないんです。この間もそれで敗れた直後に、ランキング的にともかがいて、山縣優がいてAoiなんです。上に行くにはともかを倒す前に山縣優を超えなければ、稲葉ともかに勝てるわけがないんです。

稲葉ともかは唯一JTOガールズで山縣に勝っている女子なので、ここで山縣に挑みたいというAoiの強い要望で組まれたわけですけれども、なかなかハードなところを選んでしまったなと思います。

――これもうAoi選手にとっては勝つしか未来が開けないぐらいの気持ちですよね。

本当にそうですね。今、アイスリボンに出たりGLEATに出て、宮城倫子と組んだりいろいろなことをしていろいろなものを吸収しているので。でも、ここで勝つか負けるかですごく左右されてしまうので。

――確かにこれはAoi選手にとっての正念場になりますね。

本当にそうです。これは本当にその覚悟の一戦です。

続いてQUEEN of JTO。

――優宇選手は今や他団体でも引っぱりだこの存在で、いろいろな団体で猛威を振るっていますからね。

ヤバイですね本当に。自分はSNSしか知らなかったんです。ただ、「やたらデカイな。こんなのが来たらうちの奴らはペチャンコになるな」と思っていたら、山縣優がもっとJTOガールズを成長させるためにすごい人を連れてくると言って連れてきたんですよ。山縣優が連れてきたのがでっかい優宇だったんです。

――優宇選手は元々柔道での地力があります。

力もあるし関節もできるし、JTOスタイルにピッタリはピッタリですが、いかんせん身体が違いすぎるんです。

――そうですね。もうともか選手とは体重差も相当ありますよね。

大人と子供でした。それでガールズトーナメントに参戦して、優勝したわけです。ただ、トーナメントの準決勝と決勝が同じ日で、優宇選手はこのHisokAを相手にして3分ぐらいで勝って決勝に上がったんです。稲葉ともかはAoi相手に十何分、時間切れギリギリまでの大死闘をして何とか決勝戦に。

当然、ハンデはある状態でともかは結構いいところまで追い込んだけれども残念ながら敗れてしまいました。ここで、デカい優宇さんの男気、女だけれども男気が発動して、「準決勝・決勝お互い2試合だけれども、私とともかでは全然ダメージが違うから仕切り直しで改めてもう1回やろう」という提案でここで組まれたわけです。

――彼女の男前な部分がマイクから現れましたね。

いや、めちゃくちゃ男前でしたね。

――あれは僕も拝見しましたけれども。だんだん女子選手のトップの道を駆け上がって、海外で揉まれて、そういう部分での心技体、自分の自信が発言にも出てきてるんでしょうね。

すごくだから自信があるんでしょうね。お互いハンデのない状態できちんともう1回やろうということですぐに組まれた、1カ月待たずに組まれた再戦なので、ここで勝てなかったらともかはヤバイです。

――しかもJTOの女子エースとして本当にここは負けられない一戦になりますよね。

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